この記事では、機械設計をする上で避けて通れない「たわみ」について、設計に必要な情報をまとめてご紹介します。
- たわみとは何かわかる
- 設計する上で必要なたわみの基準、根拠がわかる
- たわみの計算方法がわかる
1.”たわみ”とは?

たわみとは、プラスチック定規に少し力を入れると曲がる、魚が釣れると竿がしなるといった状態です。
外力で部材がしなっている状態のこと
下のイメージ図を見てください。全長がL、変位量をδとすると、
たわみはδ/Lで表されます。

たわみは通常全長Lと変形量δの比(δ/L)で判断する場合が多いです。
なぜ、設計をする上でたわみを気にするかわかりますか?
それは、たわみが大きいと使うときに支障がでる場合があるからです。
例えば、
- 家の床が歩くたびにぎしぎし揺れたら生活しにくい
- 橋が渡るたびに揺れる
- 机に突っ伏すと、たわんで昼寝しにくい
などなどさまざまは場面で、使いにくいと感じることになります。今、普通に生活していて上記のような不便さを感じていないのは、たわみを考慮された設計が身の回りのものは基本的にされているからです。
それでは、実際どの程度のたわみまでOKなのか確認してきましょう。
2.設計上のたわみの許容値は?
設計する上でのたわみの許容値は、最終的には各機器、構造物毎の使用方法を加味して決定する必要があります。
一般的な基準としては、
- 普段使用している建物の基準を定めている「建築基準法」
- 鉄骨を使った構造物の設計基準を定めている「鋼構造設計規準」
の2つをご紹介します。
2.1 建築基準法
たわみ許容値 = 1/250 × 変形増大係数

建築基準法とは、
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
出典:建築基準法 第一条
つまり、建物の安全性などを確保するための、最低限の規準を定めている法律です。
たわみに関する記載は、建築基準法施行令第82条にあります。
上記施行令中では、たわみ許容値は、1/250に応力拡大係数と呼ばれる長期間の荷重を作用させた場合に、徐々にたわみが大きくなる影響を加味した係数をかけ合わせて算出します。
計算例はこんな感じ。

この条件式のうち、鉄骨造のもの(変形拡大係数=1、1/250)が鋼構造の機械設計をする際のたわみの参考値として使えます。(実際は、後ほど説明する鋼構造設計規準に記載されている1/300が一般的です)
ここからは参考です!
同施行令では、「建築物の使用上の支障が起こらないこと」を確認する必要がある場合、上記の条件式でたわみを確認する必要があるとしています。
ここで、「建築物の使用上の支障が起こらないこと」とは
- 床が歩くたびに揺れる
- 重量物を置くと床が凹む
- 張り出した床が徐々に傾く
などなど。要は、建物を普通に使用していて問題がないかどうか。
また、「建築物の使用上の支障が起こらないこと」を確認する必要がある場合とは、
梁や床版が指定の条件を満たしていない場合です。施行令中で梁せいと梁の有効長さの比が指定されており、それを満たさない場合、たわみの確認が必要です。
2.2 鋼構造設計規準
- 通常 : 1/300
- 片持ち梁 : 1/250
- クレーン走行梁(手動クレーン) : 1/500
- クレーン走行梁(電動クレーン) : 1/800〜1/1200
鋼構造設計規準とは、日本建築学会が発行している鋼構造の設計に関する規準です。構造計算する際は、基本的にこれに準拠します。
通常梁の場合のたわみ許容値である1/300を一般的に広く使用しています。
ここまでで一度まとめます。
参考①【建築基準法】
たわみ許容値 = 1/250 × 変形増大係数(鋼構造なら1)
参考②【鋼構造設計規準】
- 通常 : 1/300
- 片持ち梁 : 1/250
- クレーン走行梁(手動クレーン) : 1/500
- クレーン走行梁(電動クレーン) : 1/800〜1/1200
⇒基本的には1/300でまずは考えたらOK!
3.たわみの計算方法
たわみを計算する場合の公式をご紹介します。


ここでご紹介したのは、基本的な6つのパターンです!
他にもいろんな形式の公式があるので、必要に応じて調べて見ましょう!
4.たわみ設計のまとめ
- たわみの公式から発生するたわみを算出
- たわみが1/300以下であることを確認
※1/300が一般的だが、さらに厳しい許容値が必要な機器の場合は、それに適した許容値を検討する必要があります
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