こいつが1番強い!曲げ応力の強度確認方法

この記事は、1番強い力の作用の仕方である、曲げ応力の強度確認方法について説明します。

この記事を読むと

曲げ応力の強度確認をすることができるようになる。

1.曲げ応力の強度確認

曲げ応力の強度評価方法は、引張・圧縮と少し異なります。

曲げ応力を計算するためには、曲げモーメント断面係数をいう2種類の値を計算することが必要です。聞き慣れない言葉なので、それぞれ説明します。

2.曲げモーメントとは

曲げモーメントとは、材料に力が加わっているときに、その材料を曲げようとするモーメントのことです。

作用している力と曲げモーメントを知りたい部分までの距離を掛け合わせることで算出できます。(上図参照)

※上図のような単純な力の掛かり方でなく、複数の力が作用している場合は、別の計算をして算出する必要がありますので注意してください。

詳細は別の記事で解説します。とりあえずは、イメージを持っていただければOKです。

3.断面係数とは

続いて、断面係数についてです。

断面係数は、材料の断面の形のみで決まる係数です。

曲げ応力を求める式からわかるように、断面係数が大きいほど、曲げ応力が小さくなる、つまり強度が強いということです。

上図に代表的な形の断面係数を算出する式を記載しています。ポイントは、長方形なら高さの2乗で断面係数が大きくなることです。

断面係数の計算の仕方や似た係数である「断面二次モーメント」との違いは別の記事でまとめます。

仮に、断面積を同じとした場合に、各断面形状での断面係数を比較したのが下の図です。

同じ断面積なのに、強度に4倍もの違いがあることがわかりますね。

単純に応力を断面積で割っていた引張・圧縮応力と異なることがわかるかと思います。

この性質を利用して、実際に設計する際は、コストダウンを図ります!

例えばこの場合、強度が4倍あるので、断面積を1/4にしても同じ強度を維持できます。つまり材料が少なくて済むので、コストダウンになります。

断面係数の活用方法
  • 断面係数が高い形状を選定することで、必要断面積を減らし、材料費を低減させる
  • 曲げ応力を下げたいときは、断面の高さを少し増やすことで、2乗で強度が上昇するので、最低限の材料増加で対処できる

ここまでの内容を、一番最初の図に反映すると以下の通り。

今回は、断面が円なので上記式で算出できます。断面形状や力の掛かり方が違う場合は、それにあった計算をする必要があります。

4.曲げ応力の設計まとめ

曲げ応力の強度確認まとめ

【曲げ応力=曲げモーメント/断面係数】

  • 曲げモーメント・・・材料を曲げようとするモーメント。力の作用の仕方で算出方法が異なる。
  • 断面係数・・・材料の断面の形のみで決まる係数。断面係数の強い形状を選ぶことで、コストを抑えて強度のあるものを作ることができる。

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