単純な引張・圧縮でも実はせん断力が作用している!?斜め45°にせん断される理由とは?

この記事では、引張・圧縮応力による材料の壊れ方について説明します。

<strong>この記事を読むと
引張・圧縮応力によって材料がどんな風に破壊されるかイメージできる

1.次のA、Bどちらの壊れ方をすると思いますか?

みなさんは、図の左のように上下に材料を引っ張った場合、A、Bどちらの壊れ方をすると思いますか??

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答えは、どっちもあります!笑

ただ、

材料に垂直に引張・圧縮力を作用させた場合、断面に垂直かつ均等に力が作用するので、単純に考えるとAのように真っ直ぐに割れそうに思いませんか?

でも、Bのように斜めにずれて破断する場合もあるのです。

なぜ、斜めに破断する場合があるのか、次で説明します。

2.引張・圧縮でもせん断力が作用している

ここでは、下の図のように斜めに切った断面に力が作用している場合を考えます。

材料がθの角度に切られている場合、引張力Pは斜めに切られた断面に垂直な力Pnと水平な力Pθに分けることができます。

斜め断面に水平な力と斜めの断面積Aθから、せん断力を上図のように求めることができ、その結果から、角度が45°のときせん断力が最大となり、引張応力の2分の1が作用します。

この結果から、以下のことがわかります。

この結果からわかること
  • 材料が引張・圧縮力が作用していても、内部では上の図のようにせん断力が作用している。

⇒引張圧縮でもせん断によるずれは発生する!

  • 角度が45°でせん断力が最大となり、引張・圧縮応力の2分の1

⇒45°にずれが発生しやすい!

⇒せん断強さが引張・圧縮応力の2分の1以下なら斜めにずれが発生する!

実際の破断ではもっとさまざまな要因が絡むため一概にこう壊れるということはできません。ただ、引張・圧縮による斜めのズレは45°で発生しやすいということはわかります。

3.まとめ

まとめ
  • 引張・圧縮力でもせん断力が内部で作用している
  • 斜め45°が一番ずれが発生しやすい
  • 実際の破断はもっと複雑なので、一概にこうなるとは言えない

材料に作用する4つの基本的な力(引張・圧縮、せん断、曲げ、ねじり)について知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

機械設計の超基本がわかる!4つの力をマスターしよう

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