【2019年11月24日:更新しました!】
この記事は、株式相場が大きな4つのサイクルの繰り返しであることを説明する記事です。日々のニュースに一喜一憂することなく、大きな目線で見れるようになります。
目次
1. ”4つのサイクル”で経済は回っている
株式相場は不規則に動いているように見えますが、実は大きく分けて4つのサイクルの繰り返しで出来ています。

4つのサイクル(相場)をそれぞれ「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」と呼びます。株式相場がこれら4つを繰り返すことで成り立っています。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
1.1 金融相場 〜景気の底〜
景気が底で経済が冷え込んでいるので、国はみんなにもっとお金を使って経済を動かしてほしいと思うので、お金を借りやすくするため金利を引き下げます。
つまり、国が金融緩和をすすめ、お金をじゃぶじゃぶ市場に流します。短期・長期金利ともに超低水準になります。
政府主体で金融緩和を進めることで、景気は徐々に良くなります。それに伴い、景気が悪いから債券に逃げていたお金が株式市場へ戻って来るので、市場での国債価格は安くなる=長期金利の上昇が起こります。
割安となった株がたくさんある時期です。

1.2 業績相場 〜景気が上昇〜
金融相場の結果、お金が経済を動かし企業の業績がよくなると業績相場になります。企業業績の好調さが経済全体を押し上げていきます。
景気の上昇にともなって政府は金利(短期金利)を徐々に引き上げ、お金を借りにくくします。これは、勢いよく景気がよくなりバブルが発生するのを防ぐためです。しかし、相場としては景気がいいので、引き続き国債から株式への資金移動は進み、長期金利は上昇し続けます。

1.3 逆金融相場 〜景気が過熱気味〜
政策金利がかなり高くなることで、企業業績が頭打ちとなり、景気の上昇が落ち込み始めます。
政策金利(短期金利)は高いままだが、今後の景気に不安が出だすので、徐々に国債が買われだし、長期金利は下がり始めます。

1.4 逆業績相場 〜景気が下降〜
長期金利は引き続き下がります。政策金利は急激な相場下落を避けるため徐々に下げだすので、短期長期ともに金利は低い水準となります。企業業績の悪化も底を付けます。

参考に、相場ごとの投資イメージはこんな感じです。

2. イールドカーブで相場を見極めろ
それでは、実際にどうやって現在の相場を判断するか見ていきましょう。
上の4つの相場のどこにいるかを判断するにはイールドカーブを用います。
イールドカーブとは国債について、縦軸に金利、横軸に年数を取ったグラフです。
横軸に残存期間、縦軸に利回りをとり、残存期間が異なる複数の債券の残存期間と利回りの関係を表した曲線のことです。
このイールドカーブから今の何相場を判断することが出来ます。
下図がイールドカーブの変化イメージです。かなりざっくりですが、①〜④のどこにいるかで今の相場を判断できます。

【① 金融相場】
低金利による景気回復が見込まれ、資金が国債から株式へ。
その結果、長期金利が上昇し、右肩上がりになります。
ベア・スティープニングと呼ぶ。

【② 業績相場】
企業業績が良くなり景気を上昇させます。
それに伴い、政府は政策金利を徐々に引き上げます。長期金利も引き続き上昇するが、政策金利の上昇が早いので、傾きが平らになります。
ベア・フラットニングと呼ぶ。

【③ 逆金融相場】
高金利で企業業績が頭打ちになる。
徐々に株式から国債に資金が流れ、長期金利が下がりだす。
ブル・スティープニングと呼ぶ。

【④ 逆業績相場】
企業業績が下がり、景気は本格的に下降する。
政府は金融緩和を実施し、政策金利・長期金利ともに低水準となる。
ブル・フラットニングと呼ぶ。

3. 今の相場を確認しよう!
それでは、実際にイールドカーブを使って、今の日本・アメリカの相場を確認してみましょう。
直近の状況はこちらの記事↓にまとめています!
3.1 日本は金融相場の後半 〜割安株を探そう!〜

出典:国債金利情報 : 財務省のデータを元に作成
2014年〜2019年の日本のイールドカーブです。【2019年6月19日:更新しました!】
2014年から金利が低下し続けており、かなり低水準の金利でいることがわかります。金融相場の終わりの方です。
本来なら、割安株を買い集め業績相場に備える段階ですが、金融緩和の影響で株価が割高な状態となっています。しっかりと割安株を選び抜く、もしくは割高感が解消されるのを待ちましょう。
3.2 アメリカは逆金融相場初期 〜積極的な投資は控えよう〜

出典:FRBのHPのデータより作成
2014年〜2019年のアメリカのイールドカーブです。 【2019年6月19日:更新しました!】
2014年から毎年金利は上昇し、業績相場のベア・フラットニング化をしていることがひと目で分かります。
ただ、直近では金利が下がり始めているので、逆金融相場に入り始めています。
株価もかなり割高となっているため、積極的な投資は控えた方がいいかと思います。
直近の状況はこちらの記事↓にまとめています!
4. まとめ
長いものに巻かれろと他の記事でも言っていますが、投資も大きな波に乗るのが1番リスクが少なく着実に利益も得れます。
この機会に目の前の銘柄の動きだけでなく、相場全体の大きな流れを意識してみましょう。
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[…] 相場全体の見方は、以前の記事で紹介したイールドカーブを見るとわかりやすいです。 […]